「ディクテーション(dictation)」とは 「書き取り」 の事で、聞いた文章を全部書き取るという作業のことです。
ディクテーションは英語の勉強法の1つで、かなり効果的な勉強法です。しかし、なんでもいいから文章を書き取れば練習になるという訳ではなく、ディクテーションをするときに気を付けて取り組むべきポイントがあります。
今回はそのポイントを大きく4つに分けて解説していきます。ポイントを理解して効率よくディクテーションをできるようになりましょう。
ディクテーションで重要な4つのポイント
では、ディクテーションを実際に行う際に気を付けたいポイント4つを見ていきましょう。
1: その人のレベルにあった文章を
まず1つ目は、ディクテーションをする際に、その人のレベルにあった文章を聞いて書き取るという事です。
どんなに短い文章であったとしても、例えば過去分詞を知らないのに
The police found the stolen passport in the airport.
という文章を書き取るのは厳しいはずです。
また、例えばsimultaneouslyという単語を知らない人は
The actors came on stage simultaneously.
という文章を書きとることも、聞きいて理解することも難しいでしょう。
そのため、ディクテーションをする際に大切なことは難しい文章を聞くよりもその人のレベルにあった文法や単語レベルの文章を聞く事なんです。
もちろん難しい文章にチャレンジしてみるものいいですが、何度聞いてもわからなかったり、理解できない文章を聞き続けるのはあまり楽しいものではないですし、すぐ嫌になってしまいますよね。
そのため、自分にとって難しすぎない文章を聞いて書き取る練習をするのがおすすめです。
2: スペルの正しさはあまり気にしない
2つ目はのポイントは、ディクテーションをしている時にはスペルが正しいかどうかはあまり気にしなくていいという点です。
ディクテーションにおいては、考え込まずににとにかく文章を書く事が大切です。
もちろんスペルを正しく書くというのは大切ですが、仮にスペルが間違っていたとしても、とりあえずそれらしい単語を書いておけばスペルは後から調べて覚えればいいんです。
それよりも、スペルに気をとられて文章が途中で終わってしまうよりは適当なスペルでもとりあえず文章が完成させていく方が力が付くはずです。
実際例えば大学の講義や仕事のミーティングなどでノートをとる際は、スペルがどうのこうの言ってる時間はないですからね。とにかく大切そうな所をノートにとる事が重要なのであって、スペルなんて後から調べることができれば問題無いです。
ただし、後からスペルを調べるためにはそれらしい単語を書いておかないと調べようがありませんよね。
そのため、例えば「sustainable」のスペルがわからなかったら、「sasteinable」とか「sasutanable」などと書いておけば後から調べることができます。
3: 聞いている文章の意味を理解しながら
3つ目のポイントは音をひとつひとつ書き留めるのではなく、まず文章の意味を自分で理解し、その文章を自分で書き起こすという作業をするという点です。
おそらくこの点がディクテーションをする際に最も重要なポイントです。
ディクテーションをすると言うと、やりがちなのは、例えば
He feels we need to do something about the problem.
という文章をディクテーションする場合、最初に文章を聞いた後にまず「He feels」と書き、2度目に文章を読んだ後は「He feels we need to do」、3度目に文章を読んだ後「He feels we need to do something about」までしか書いてないというようなやり方です。
このやり方では、ディクテーションをしているというよりも単に音を書き留めている作業をしているに過ぎません。それに、長い文章の場合は単語1つ1つを追って書いていたら普通は全部書ききれません。
本来のディクテーションとは、文章を聞き、理解して頭の中にその情景を思い描き、それを今聞いた単語を元に自分で再現していく作業のことではないかと思います。
例えば先ほどの例文であれば、「とある男性が仕事でトラブルに直面していて、どうにか問題をどうにかしなければと考えている」という状況を想像します。
ここまでできればディクテーションはもう半分終わったようなものです。後は自分が今聞いた単語を元に文章を起こしていくだけです。
「問題をどうにかする」 は 「do something about the problem」かな?「しなければならない」は 「have to」だけど、たしか have ではなくて need を使ってたな。などという感じで書き起こしていく訳です。
このようなやり方は「聞いた単語を書き取っていくだけ」のものとは全然違いますよね。「聞いて、意味を理解し、それを文章に書き起こす」というやり方なんです。
4: 自分の書いた文章が文法的に正しいかどうか確認
ディクテーションをする際の最後のポイントは、最終的に答え合わせをする前に自分の書いた文章が文法的に正しいかどうか確認するという点です。
先程の例文 「He feels we need to do something about the problem. 」 の場合、need to に付いている to や、動詞の三人称単数形 –s 、冠詞 the などは忘れがちです。
書き取れる単語というのは比較的長い単語で耳に残り易い名詞、動詞、形容詞、副詞 (これらを content words と言います) になりがちです。これらだけでも意味の推測できますが、文法的に正確な文章ではないですよね。もし自分が書き取った文章が文法的に正しくなかった場合、ここで自分の持っている文法の知識を適用させてあげましょう。
例えば、一般的には英語の数えられる名詞の前には冠詞の a や theが付いたり、複数形の –s が付くということが普通ですよね。
しかし、これらは音が短く、強調される事も少ないので聞き取るのが難しいです。そのため、こういった文法の細かい部分も含めてディクテーションをした後に自分で文法的にその文章が正しいのかを調べる事がとても重要です。
ただ、最初のポイントで言った様に、その人のレベルよりもかなり難しい文法の文章をディクテーションしているような場合、この確認作業をすることができません。
そのため、やはりその人にとって適切なレベルの文章でディクテーションをすることが重要になってきます。
まとめ
では、今回のディクテーションのポイントをまとめるとこんな感じになります。
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