
日本では中学校から英語の勉強を始める人が多いと思います。
数年間英語を学んできたはずなのに何故か聞き取ることができないと悩んでいる人も多いのではないでしょうか。
それは、勉強で習った発音と、会話の中でのネイティブの発音に違いがあるのを知らないことが原因かもしれません。
その違いとはいったい何なのでしょうか?
ネイティブの話し方の特徴を理解して英語のリスニング能力をアップさせましょう!
2つ以上の単語が続くと音が変化
英語は、単語を一つ一つ発音する言語ではなく、文章になった際に発音が変化する言語なんです。
例えば有名なものとして、
want you →ウォンチュー(×ウォント ユー)
have to →ハフトゥー(×ハブ トゥー)
などのように、皆さんもご存知の表現がありますよね。
ネイティブがナチュラルスピード(自然な会話の速度)で話すと、単語と単語の間がしっかりと区切られていないことがあります。
単語同士がつながって1つの単語に聞こえたり、単語の発音が変わったりします。
私たちにとってこれは困ったことですよね。
そこで、ネイティブがナチュラルスピードで話す英語を聞くときには次の3つの現象に注意してみてください。
①音の連鎖 → 2つ以上の単語が連結されて発音
②音の → 脱落単語の最後の音が発音されない
③音の同化 → ある音が別の音に変化する
では、実際どのようなものなのか見ていきましょう。
①音の連鎖

2つの単語がつながる、つまりある単語の最後の音とその次の単語の最初の音がつながって発音されるというものです。
例えば、次の例文を見てみましょう
Let’s take a look.
(見てみましょう)
この “take” の [k] の音で舌の後ろが持ち上がり、口の中で上に一度ついてから、元に戻る時に “a” が発音されます。
この場合は2つの単語がつながって
「ティカ」
という音となって聞こえます。
次の例文を見てください。
This is a pen.
(これはペンです)
最もよく見るけど全然使わない例文ですね(笑)
この例文では This の [s] の音で上の歯の裏に持ち上がった舌が元に戻るときに “is” の [i] を発音します。このことから
「ディスィーズ」
と聞こえます。
続いてこの例文はどうでしょうか。
She has to go in an hour.
(彼女は一時間後に行かなくてはならない)
“in” の [n] と “an” の [a] がつながり、さらに “an” の [n] と “hour” の [a] の音がつながります。
その結果、
「インナーゥワー」
という発音となり、一つの単語となって聞こえます。
最後にこの例を見てください。
Not at all.
(どういたしまして)
“Not” の [t] と、”at” の [t] のそれぞれが次の単語の最初の音とつながり
「ナッタットール」
というように聞こえます。
②音の脱落

この音の脱落というのは、同じ音や似たような音がつながった時にどちらか片方の音を発音しない、もしくはとても弱く発音されるという現象です。
これも例を見ながら学んでいきましょう。
hot tea
(熱いお茶)
“hot” と “tea” がつなげて発音されるときには、同じ子音が続くのでひとつになり
「ハッティー」
という発音で聞こえます。
Take care.
(気を付けて)
このセリフの場合、”Take” の最後と “care” の最初の音が同じ [k] であるために1つ欠落し
「テイケア」
という発音となります。
Let me go.
(行かせて)
似たような子音が続くと弱い音の方が発音されなくなります。
ここでも “Let” の [t] の音が “me” の [m] の音に影響を受けて
「レッミー」
というように [t] の発音をせずにつながります。
Good night.
(お休みなさい)
“good” の [d] の音は、 “night” の [n] に比べて相対的に弱く発音されます。
そのため、[d] の音が発音されなくなることがよくあり、その結果
「グッナイ」
というように発音されます。
③音の同化
隣り合う二つの音の間で片方の音がもう片方に影響をうけて、それと似た音に変化したり、別の音に変化して発音される現象のことを指します。
説明だけ聞いてもよくわからないと思うので、さっそく例を見てみましょう。
Nice to meet you.
(初めまして)
この “meet” の [t] が後ろの “you” の [ju] の影響を受けて
「チュ」
の発音に変化することがあります。
よって、「ミート ユー」ではなく、
「ミーチュー」
という発音になります。
Would you do me a favor?
(お願いしてもいいですか)
前の単語(Would)が [d] で終わっていると、次の単語(you)がこの [d] に影響されて
「ジュ」
の音に変わって発音されます。
よって “Would you” は
「ウジュ」
という発音になります。
I told you.
(言ったでしょう)
前と同じ理由で “told you” は
「トゥルジュ」
となります。
I have to do my homework.
(宿題をしなければならない)
“have” の [v] の音が “to” の [t] の影響を受けて
「ハフトゥ」
というように [v] の音から [f] の音へ変化します。
まとめ
ネイティブの発音の特徴は以下の3つでした。
以上の点に気を付けながら英語リスニングの勉強をしてみましょう。
もちろん正確な英語の発音を覚えることも大切ですから、そこはおろそかにしないようにしましょう。
そして、英語に耳を慣らすのも大切です。今回の内容を意識したうえで、テレビやラジオなどで実際の音声を聞いたり会話をしてみたりするのが上達への近道になるはずです!
コメント